第46章

葵は緊急連絡先の画面を閉じ、スマホをロックして机に置いた。空欄なら空欄で構わない。

再びコードエディタを開く。スケジューリング層における四つ目のAPIの、例外処理モジュールのロジックがまだ少し残っていた。キーボードに落とした指の動きは、午前中よりもさらに鈍くなっている。

十二分ほどコードを書き、保存する。

引き出しを開けて鉄剤を二錠取り出し、ぬるま湯で飲み込んだ。渋みが口に広がる。

スマホの画面が点灯した。坂田弁護士からだ。

「水原さん、公判前整理手続の期日が来週水曜の午前十時に決まりました。場所はY市中級人民法院の第七調停室です。明日の午後、そちらへ伺って最後に事件の争点を整理し...

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